2月6日(木)
バスは西進を続け、ピエダーデの益田農場へ。毎年この時期にはクリ拾いを楽しむ人々で農場は賑わう。 農場主の益田照夫さんはその収益は三分の一をピエダーデの日語学校へ、残りは援護協会へ寄付する篤志家でもある。
「一年に一回だけだからね。その位はさせてもらわないと」と破顔する。
気さくな人柄がその話し振りからも伝わる益田さんの案内で一行は農場を見学した。
益田さんは現在、竹を四本、幹の周りに放射状に差すという四本主枝という方法を用いて、カキを栽培している。
この方法で通風性、採光性を高め、更に採取が非常に容易になるという。農場内には枝を広げるためのナイロン糸が縦横無尽に張られている。
約百アルケールの土地には他に、スモモ、クリ、ネクタリンが植えられているが「まだまだ収穫が見込めない若い木が多いため支出も多いし、最近、霜や蛾などの被害に遭った」というものの、「やはり、収穫時期は楽しみ」と夢をもって仕事をしたいと話す。
一行は益田さんの家で振る舞われた十年物の自家製梅酒、クリようかん、視察の帰りに参加者自らが採ったレイシ、スモモなどに舌鼓を打ちながら、話に花が咲いた。
帰りには、益田さんから大人二人がやっと抱えるほどのクリが詰まった袋三つが一行に贈られた。
農場を後にするバスにいつまでも手を振る益田さんの姿が印象に残った。
宿泊はピエダーデの街が見下ろせる丘に立った『トーレ・ホテル』。オレンジ色の暖かい光に包まれた街の夜景にため息をついた後、三々五々、一日の疲れを癒すため休息の途についた。(堀江剛史記者)
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