2月7日(金)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二日】ブラジル各地に広がっているビンゴ店が、麻薬やアルコール中毒と同じくらい健康に悪い「ビンゴ中毒患者」を増やしていると、ビンゴ中毒を病気としてとらえ、実際に治療を実施している医師たちが警告している。
国民の間で被害がどのくらいのものかを測った正式なデータはまだないが、心理学者や精神科医はすでに、ビンゴ中毒が国内で広がっている傾向があることを、三カ所で得た情報でつかんだ。
(1)ブラジルで唯一賭博中毒患者を受付けているサンパウロ市の公共救急病院によると、患者のほとんどがビンゴに対して異常で抑え難い欲求を持っている。その他の賭博にひかれる者は少ない。
(2)サンパウロ総合大学(USP)付属クリニカス救急病院の調査によると、賭博中毒患者の治療は、ビンゴブームが起きた時と同時期に増加している。
(3)賭博中毒患者への福祉活動を行っている匿名プレーヤーグループも、USPの調査と同じ傾向があると言明。ビンゴ店の増加に比例してビンゴ中毒患者も増えている。
専門家たちは、この傾向を重視し、早期に対策を取らなければ、米国のカシノにみられる賭博中毒患者が急増すると注意を呼びかけている。多くの人々が「ビンゴは六月祭の遊び」程度に考え、タバコやアルコール飲料と同じように中毒症状に陥ると思っていない。政府側が厳しいコントロールをする必要があると訴えている。
「予防が一番」と、マリア・P・M・オリヴェイラ心理士は言う。サンパウロ連邦総合大学(Unifesp)賭博中毒診療所の担当者だった同心理士は、「ビンゴ中毒の危険があるのにビンゴ店を合法化してよいのか。政府は中毒に関するキャンペーンを実施し、ビンゴ開店に制限を与えるべきだ。一つの大通りに三軒もビンゴ店があるとはとんでもない」と憤る。
昨年十二月三十一日、カイシャ・エコノミカ・フェデラルが発行していたビンゴ店営業許可証が無効となり、ビンゴ店は不法営業状態になったが、予審判決で仮営業許可を得て今でも営業を続けている。現在、国会でビンゴに関する法律案が可決されるのを待っているという。