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コラム 樹海

 日本の長い不況は続くが海外旅行は大活況らしい。年末と年始にかけて成田から外国へと旅立つ人はもう百万人を突破しているかもしれない。それも二十代の若い人々が多いそうだ。もうグヮム島やハワイだけではなく中国の敦煌だとかエジプトのピラミッドへとジャンボ機に乗って勇敢に飛んで行く。あの巨大機が世に出たときには誰しもが驚いたものである▼ところがあれよりももっと大きな飛行機を作る計画も進んでいる。エアバス社が取り組んでいるのだが座席数は最大で六百を超えるそうだから─これはもう大きい。ホテルと同じような豪華な個室もラウンジも設置可能らしい。ここまでくるともう「空飛ぶホテル」と呼んでもいい。名機長とうたわれた故長野英麿さんはジャンボ機を初めて操縦したときに「この巨体が本当に飛ぶのだろうか」と頭ではわかっているのに心配になったそうである▼ブラジルでは世界で初めて飛行に成功したのはサントス・ドゥモン氏となっているけれども日本などではライト兄弟である。一九〇三年十二月だったから今年で一〇〇周年を迎える。振り返って見ると二十世紀は飛行機の時代だった。あの第一次大戦でも大活躍しているしリンドバーグが愛機「セントルイスの魂」に乗ってニューヨークを出発しパリまでの大西洋を横断し五千八百キロを飛び話題にもなった▼ライト兄弟の頃は、飛ぶこと自体が難事だったのに今は安全性も高くなり飛行距離も長い。とは言っても安全と危険は裏表であり呉呉も用心に越したことはない。  (遯)

03/02/08