2月11日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙九日】パリで休暇中のカルドーゾ前大統領が八日、エスタード紙記者の時事問題に関する質問に応えて、次のように述べた。
[イラク攻撃の影響]武力介入によるサダム・フセイン大統領の排除は可能だが、世界が恐れている問題の排除は不可能だ。特に東欧諸国は何が起きるかに不安を抱き、寄らば大樹の陰と仏独の核の傘より米国の核の傘による保護を求めている。米国の振舞いは、世界の中央集権帝国のようだ。
[イラク攻撃の動機]原油欲しさの武力介入という見方は、当たらない。米国の動機は、世界新秩序への行動と見られる。
[攻撃が始まったら]ブラジルは、戦争に対し国連の中で戦争回避というのが伝統的手法だ。戦時情勢に即した対処能力に欠けるので、確実な現実主義を採り博奕はしないこと。戦争が突発的だと原油やエネルギーへの影響は大きい。次に為替問題、レアル通貨が自立できるか否かが問題になる。ブラジルは、戦時経済に弱いから不利だ。
[ブラジルの選択肢]国連決議に従うしかない。ブラジルは、戦時特需に上乗りする術を知らない。アルゼンチンは湾岸戦争に参戦したが、ブラジルには推奨できない。外交交渉で橋渡し役を買ってでることで、国際貢献を努めることだ。
[覇権とブラジル]現在の一極覇権主義は問題だ。仏独を中心とする新しい極が育ってくれるとよい。新政権が仏独連合を支援して合流したことは正解であり、中国やロシアも合流することを期待している。米国民も一極覇権主義が、金のかかるものであることを認識して欲しいと思う。