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日本語で機転きかし逮捕へ=強盗に襲われた企業家

2月15日(土)

 十四日付アゴーラ紙によれば、強盗に襲われた日系企業家がとっさの機転で、犯人に分からないように日本語で家人に状況を知らせ、軍警が出動して助かるという事件がサンパウロ市で起きた。同記事には「日本語でしゃべって犯人を騙す。Esperto, ne?」(「かしこい、でしょ?」の意)という見出しが躍っている。
 十二日晩、印刷所経営シゲユキ・オシカタさん(四九)がサンパウロ市南部のカンポ・リンポ区アルカーダス街でコルサ車に乗っていたところ、ピストルを持った強盗に襲われた。その時、オシカタさんは銀行カードを持っておらず、家に電話してカードを受け取る手配をするように、犯人は指示した。
 オシカタさんはセルラーで妻と話し、ブルックリン区の自宅玄関でカードを受け取りたいと伝える傍ら、強盗に襲われている最中であることを日本語でこっそり伝えた。妻は三人の息子と印刷所従業員二人を呼んで事情を説明した。
 強盗はオシカタさんの妻も車に乗せ、銀行の現金引き出し機から現金を出させようとしたが、できず、再び家に戻った。ところが、すでに軍警が待機しており、犯人は息子と従業員を人質に家に立てこもったが、軍警の説得をうけて半時間後に投降。カルロス・アウベルト・リマ(一八)は現行犯逮捕され、使っていたピストルはおもちゃだったことが分かった。