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サンパウロ市 5年以内に交通機能不全=ロジジオ効果も限界=規制拡大か渋滞税徴収か

2月20日(木)

 【ジアーリオ・デ・サンパウロ紙十九日】サンパウロ市交通技術公社(CET)の予測では、今後五年以内にサンパウロ市内を運行できないほど渋滞がひどくなるという。現在市内を走行する車両三百五十万台のうち、百五十万台が中心部で運行しているが、今の車両乗り入れ規制(ロジージオ)では五年以内に十分でなくなると推測している。
 この問題に対しCETは、ロジージオで規制される車両ナンバーを増やす計画を立てている。だがその他の交通専門家は、バスや地下鉄に多大な投資をして交通システムの改善を図り、さらにロンドンで十七日から実施されている渋滞税のような通行料の徴収も実行に移すべきだと過激な対策をたてている。
 ロンドンでは、市中心部を通行する車両の平均時速が、十九世紀当時の馬車をわずかに上回る十六キロとなっていた。政府は交通量を一五%減らすことを目的として、通行車両に税金を徴収する制度を導入。この結果、ロンドンの交通量は四分の一減少した。
 サンパウロ市を運行する車両数は毎年平均九%増えている。CETのタデウ・ドゥアルテ氏は、ロジージオだけが渋滞ピーク時の交通量を二〇%まで下げることができると言明。「通行料を課すことを考える前に、ロジージオ改善で対処すべきではないか。ロジージオで規制される日を二日間に増やすか、一日に規制される車両ナンバーを三つにする」と話す。また「CETの車をバイクに変えるだけでも、故障車の対処を早くできるので渋滞が減るだろう」とも考える。
 元サンパウロ市交通局長のジェトゥーリオ・ハナシロ氏は、過去にチエテー川沿岸の環状高速道路に、時速百二十キロで走れる延べ二十キロほどの車線を増やし、その場所で通行料をとる案を出していた。通行料支払いを避けるには、近くのローカル道路で渋滞をがまんする手もあるという。同氏はマルタ・スプリシーサンパウロ市長に再提案するもよう。「全体的に通行料を課すのは反対だが、一部で通行料をとり、市民に選択を与えるべきだ。またバスや地下鉄にも投資すべき」と述べている。