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学校のいじめが問題化=短銃乱射の不祥事も=問題解決に両親の役割重要

2月21日(金)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十日】ブラジルでいま、いじめ問題が心理学者などの研究対象になっている。いじめという言葉はブラジルにはなく、臨時的に「モラルに対する暴力」と呼ばれている。一月二十七日、サンパウロ州チウーヴァ市の州立校校庭で、男子卒業生(一八)が生徒六人と教員、職員を拳銃で撃った後、自殺する事件があった。この卒業生の犯行動機も、級友からのいじめだった。
 リオデジャネイロ市のNGO団体『Abrapia(ブラジル子供保護協会)』は、先週から国営石油会社ペトロブラスの援助を受けて、公立校と私立校十一校でいじめ対策を実施している。教員や両親、生徒たちを集め、いじめを防止しようというものだ。
 いじめを受けた子供は、登校拒否したり、うつ病にかかったり、ひどい場合には前記の卒業生のような凶暴な行為を取りかねない。いじめは、ヨーロッパ諸国や日本などの先進国でよく起きており、深刻な問題として扱われている。先進国の多くの教育省では、いじめ予防対策を実施するよう学校側に義務付けている。
 いじめる側の両親は、いじめは結果的に自分自身に害をもたらすということを子供に教えなければならない。Abrapiaのラウロ・モンテイロ・フィーリョ会長は、「いじめっ子は、暴力が社会的なリーダーになる条件だと誤解する。人を脅せば物質的に満たされ、目立つこともできると考える。そのまま大人になれば、家族などにも平気で暴力を振るうようになる」と注意を呼びかけている。
 いじめられた子供の両親はまず、子供が「いじめられている」と相談したことを「正しいことをした」と誉め、いじめ状況について話し合う。子供はいじめについて話すといじめがエスカレートすると脅えているからだ。それから教員と話し合い、学校側の措置を待つ。学校側が満足いく措置をとらなかった場合は、ほかの親と話して学校の理事会に問題解決をせまる。
 いじめに悩んでいる子供が何も話してくれない場合は、「子供に勉強や登校をいやがる、暴力的になるなどの変化が現れるのは、いじめられている可能性が高い。注意深く観察し、子供と話してみること」と、教育専門家はアドバイスしている。