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血ぬられたサンパウロ市カーニバル=サッカー応援団衝突し3人死亡=検察局「応援団の参加は禁止」

2月25日(火)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十四日】二十二日、例年より一週間早く始まったサンパウロ市のカーニバルで、ブロッコ・ド・カルナヴァルを形成しているサッカー応援団同士が衝突し、三人が死亡、六人が負傷した。この事件で検察局は、サッカー応援団系のエスコーラ・デ・サンバやブロッコを無くすよう、エスコーラ・デ・サンバ・リーグとサンパウロ市に呼びかけることにした。
 ブロッコ・ド・カルナヴァルとは、エスコーラ・デ・サンバよりシンプルなもので、山車の数も少ないが、参加人数は多い。ブロッコにもカテゴリーがあり、今回の事件は同ブロッコの特別グループのデスフィーレ中に起きた。
 同日午後十時ごろ、同市アニェンビー区の山車待機場で、もうすぐアヴェニーダ入りするブロッコ『トリコロール・インデペンデンテ』のメンバーが、後方で準備中の『パヴィリョン9』のメンバーに襲い掛かった。最終チェックをしていたパヴィリョン9の山車装飾責任者のルイ・L・ノゲイラ氏(二五)が短銃で頭部を撃たれて即死した。
 インデペンデンテはサンパウロ・サッカークラブの応援団。一方パヴィリョン9は、コリンチアンス・サッカークラブのサンパウロ州で三番目に大きい応援団。目撃者によると、十人のコリンチアーノが約百人のサンパウリーノにリンチされ、日系人男性カッシオ・テラヤマさん(二三)を含む五人が負傷した。
 デスフィーレ後、インデペンデンテの参加者は十台のバスに乗って退場。午後十一時三十分ごろ、マルケス・デ・サンヴィセンテ通りで、パウメイラス・サッカークラブの応援団ブロッコ『マンシャ・アウヴィヴェルデ』のメンバー十人を見かけ、バス運転手に無理やり停車させて同ブロッコ本部にけんかを売りにいった。
 パウメイレンセ一人(二四)とサンパウリーノ一人(二〇)がリンチに遭い、死亡した。一部のサンパウリーノらが逮捕され、釘のついた木片や鍬の柄などが押収された。
 殺害されたノゲイラ氏の父親は、「息子はサポーターではなかった。ただサンバが好きでブロッコにいたんだ」と嘆いた。事件当時ノゲイラ氏と一緒で、足を撃たれて負傷したテラヤマさんは、「突然やつらが近づいてきて罵り始めた」と憤っている。

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