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総領事館で安全対策会議=テロの可能性も探る=日本人は巻き添えに注意を=カルナヴァル期間中は用心

2月25日(火)

 行政や民間の枠を超えて治安問題を考えようと、サンパウロ総領事館(赤阪清隆総領事)は二十一日、安全対策会議を開いた。ブラジル日本商工会議所やJICA、国際交流基金などの安全対策担当者らが参加し、最近の治安情勢やイスラム過激派によるテロ攻撃の可能性などについて話し合った。
 冒頭の挨拶で、赤阪総領事は緊迫するイラク情勢について言及。「日本政府も米英に歩調を合わせているだけに、米国と同盟国に対するテロの可能性はある」と在外公館での警戒の重要性を説明した。
 邦人保護担当の西山巌領事は、六日付けで米国国防省が発令したイスラム過激派によるテロ攻撃についての警告内容を紹介。五段階で表される危険度が上から二番目となっている現在、テロの標的となりやすい施設やレストラン、クラブなどに足を運ぶのは控えた方がいいと注意を促した。西山領事は「日本人へのテロの心配は少ないが、巻き添えになる恐れがある」と話していた。
 また高橋靖夫領事は、ブラジル治安当局による分析を紹介し、「ブラジル国内では大規模なテロは考えにくい」との見解を示した。その根拠として、多民族国家のブラジルではあらゆる宗教が共生している▽国内で確固たる地位を築いているアラブ人社会から、本国へ資金援助がされており、テロを起こせばその資金がカットされる――などと説明した。
 在留邦人や進出企業が最も敏感になるサンパウロ市の治安情勢について高橋領事は、増加する強盗と窃盗には警戒する必要がある、と説明した。最近の邦人の被害では、リベルダーデ区内のホテルで、外出中に部屋に吊していた上着から高額の現金が盗まれた窃盗事件や、イピランガ区の自宅に帰宅した夫婦が遭ったけん銃による強盗事件が報告された。
 カルナヴァル期間について西山領事は「リオとレシフェは非常に危ない」と一層の注意を呼び掛けた。
 参加者との質疑応答では、「パウリスタ大通りには交番が出来たがその効果は」という疑問に対し、領事館側は「朝夕の警官のいない時間や、警官の目が届かない場所は要注意」と回答。特に携帯電話を狙った強盗事件が多発する現状を受け、人前で電話を使用しないことや、体の目立つ場所に電話を付けておかないなどの注意点を挙げた。
 同商工会議所関係者は、三月に予定される日伯合同経済会議が、対イラク攻撃が始まった場合に中止される可能性もあることを報告した。
 邦人の安全確保を最優先課題に置く同領事館では、一月に実施した「婦人への安全講習会」を再度検討するほか、四月には「治安と保険」をテーマにした専門家による講習会も予定しているという。また、定期発行する安全対策だよりもEメールで希望する個人や各企業に送付する。希望者はcgjseg@arcstar.com.brへ。