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ポルトアレグレ総領事館廃止問題=海外同胞つらい思い=沖縄タイムス 「大弦小弦」が取り上げる

2月27日(木)

 沖縄タイムスは、八日付の朝刊コラム「大弦小弦」で、ポルトアレグレ総領事館の廃止問題を取り上げた。小泉首相の構造改革は、海外の同胞たちにもつらい思いを強いている、と書いている。以下コラムの全文。
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 なかなか成果の見えない小泉純一郎首相の構造改革だが、海外の邦人、日系人社会など思わぬところでも波紋を広げている。
 外務省改革の一環として海外公館の新設・統廃合が打ち出されたのが昨年八月。三年以内に廃止される七公館の中に、日系人の多いブラジルのポルトアレグレ総領事館も含まれていたことから、現地では大きな問題になっている。
 日系人団体が中心となった存続運動では、二カ月間で約一万人が署名。ブラジル全土に広がる勢いで、さらに日本の姉妹都市や親せき縁者を通して自民党に廃止反対を働きかけるなど、地元の活動は強まっている。
 総領事館といえば、昨年五月の中国・瀋陽の亡命事件で、その存在が一躍注目された。外交や通商交渉などとともに在留邦人保護も重要な役割だが、現地日系社会にとっては、母国との大切な窓口でもある。
 同国最南端リオ・グランデ・ド・スル州の州都ポルトアレグレ市に拠点を置く総領事館の管内には、邦人約千九百人、日系人約五千人が住んでいる。今回の廃止に地元邦字紙ニッケイ新聞は「日本の外交は近視眼的にアジアばかり見つめている。南米は過小評価されている」と批判する。
 「痛みに耐える」ことを強いる小泉改革は、「領事館は在留邦人の唯一の心のよりどころ」(同紙)とする海外の同胞たちにもつらい思いを強いている。