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元日本代表のラモスさん来伯=「僕は日本人」ラモス瑠偉さん=ビーチーサッカー世界大会で善戦=太陽と砂漠が魅力の一つ

2月28日(金)

 元サッカー日本代表のゲームメーカーとして活躍したラモス瑠偉さんが、母国ブラジルに滞在している。先日、リオデジャネイロで開催されたビーチサッカー世界選手権大会(十六|二十三日)に出場した日本代表チームにコーチとして帯同。けが人が出たこともあり、ラモスさん自身も選手として出場した。大会を終え、二十五日にサンパウロ入りしたラモスさんがニッケイ新聞の取材に応じた。
 ――約一年ぶりのブラジルですが、母国の空気はどうですか。
 僕は日本人。日本が大好きだし、ここには一人の外国人として来たつもりです。サンパウロでは母ら家族や友人と会ったり、アパレシーダに足を運んだりするつもりです。カルナヴァルにも招待されているので、見に行きますけど。あまり長い間日本を離れると、どうしても日本が恋しくなるね。
 ――予選リーグ(対ウルグアイ、ポルトガル、フランス)では三戦全敗に終わりました。
 正直、僕は出場するはずじゃなかったけど、レギュラーにけが人や体調を崩す選手が出たので、特例(規程は四十歳以下)で認めてもらいました。負けたのは悔しいが、三カ月前から合宿をして準備を整えたウルグアイにも一対二の接戦だったし、特に三位に入った強豪のポルトガルには、第二ピリオドまで一対二で粘れました。最後には疲れもあって突き放されましたが、リオのマスコミも日本がここまでやるとは思わなかった、と評価してくれたしね。いい経験になりましたよ。
 ――現役時代にもビーチサッカーの日本代表として活躍していますが、その魅力は。
 コパカバーナが会場ですよ(笑)。素晴らしい青空の下、きれいな砂浜の上でサッカーボールを蹴ることが出来るんだから。日本にも沖縄を始め、きれいな海は多いけれど、砂浜がゴミなどで汚れすぎている。ビーチをきれいにして、サッカーだけじゃなくバレーや野球など何でもいいからスポーツを出来るように整備すればいい。もっと子供たちを自由に遊ばせないと。親子で一緒に汗を流すことで、コミュニケーションも深まるしね。
 ――日の丸を愛した男として、これからの日本サッカーに期待することは。
 昨年のW杯では決勝トーナメントに進むなど、確かに強くなりました。ただ、まだまだ九十分間の試合中に集中が途切れる場面も見られるし、甘さも残っています。ジッコさんが監督だけに、今後の代表チームには大きな期待を持っています。もちろん勝つチームを作って欲しいが、万が一負けても観ていて楽しいセレソンにして欲しい。一九八二年W杯のブラジルのように。
 ――これからの目標は。
 今年はJリーグの監督に義務づけられているS級のライセンスも取得するつもりです。そろそろ現場に復帰したいと思っています。FC琉球のサポートなど、沖縄にも協力していきたいし、小さい子供たちに何とかサッカーの楽しさと喜びを伝えていきたいですね。

 ◆ラモス瑠偉 一九五七年二月九日、リオデジャネイロ生まれ。四十六歳。七七年に来日し、読売クラブ(現東京ヴェルディ1969)入団。日本リーグ、Jリーグの両リーグで活躍した。八九年に日本国籍を取得し、九〇年から九五年まで日本代表の攻撃の軸を担った。九八年の現役引退後、二〇〇〇年にはブラジル政府から「リオ・ブランコ勲章」を贈られる。