3月1日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日】国際麻薬密売者のルイス・フェルナンド・ダ・コスタこと〃フェルナンジーニョ・ベイラ=マール〃が二十七日、サンパウロ州プレジデンテ・ベルナルデス市の最新防備刑務所『受刑者再適応センター(CRP)』に移送された。ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事は、「あくまでも緊急対策なので、ベイラ=マールの監禁期間は一カ月間のみ」と言明している。
リオデジャネイロ州で二十四日から続いている犯罪組織コマンド・ヴェルメーリョの放火・爆発騒動が、ベイラ=マールの命令で起きているものだと疑いが強く、ルイス・イナッシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領は二十六日からベイラ=マールの処分を急いでいた。
大統領は、「ブラジリアかサンパウロ州にベイラ=マールを移転させたい」と伝えた。アウキミン知事は、「サンパウロ州は犯罪組織PCC(首都第一コマンド)の問題もある」と拒んだが、ブラジリア側がサンパウロ州以上に強く拒否したため、結局サンパウロ州に監禁が依頼された。
一カ月後には再度ベイラ=マールの行き先をめぐって協議が始まると思われる。リオ州のロジーニャ知事は、「ベイラ=マールはもう受付けない。連邦政府の問題である」ときっぱり断った。ローザス判事も「連邦直轄区にベイラ=マールを移送することを禁じる」と厳しい姿勢を見せており、同受刑者はたらい回しにされそうだ。
ベイラ=マールがコロンビアで逮捕された時、米国が「国際犯罪として米国で裁きたい」とベイラ=マールの監禁を申し出たが、当時リオ州知事でロジーニャ現知事の夫、アントニー・ガロチーニョ氏が、「出身地のリオ州に連れて帰る」と拒否した。
ベイラ=マールは二十六日午後十一時、リオ州バングー刑務所第一号棟から、連邦警察エリート部隊の戦術作戦専門コマンド(COT)、市警、軍警特別部隊四十人のガードを受けてサンタ・クルス空軍基地に到着。翌二十七日午前三時五十分にサンパウロ州プレジデンテ・プルデンテ市アデマール・デ・バーロス空港に着き、軍警十八人と連警十四人のエスコートでプレジデンテ・ベルナルデス市の同刑務所まで移送された。