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コラム 樹海

 暑い。カルナバルになると毎年のことながら─それにしても暑い。炎暑や酷暑の呼び方もあろうが、これは熱暑の方がよさそうだ。ここ数日のサンパウロの気温は三四度を超すし真夜中も暑熱には泣かされる。日本の夏は日中温度が三十度を超すと真夏日。夜の気温が二五度以上になって蒸し暑く寝苦しいと熱帯夜と呼ぶ▼東京都で見ると真夏日の日数は平均で四十五日もあるそうだが日本の暑さは酷い。最大の原因は湿度の高さにある。気温三十度で湿度が八〇%だと暑苦しく感じ「不快指数」が高くなるし、これが八五になると殆どすべての人が不快になるそうだ。サンパウロは確かに気温は高いのだが、湿度の低さが救いと言っていい。これがアマゾンのマナウスになると日本列島の暑さの苦しみを再び体験することになる。湿度が多く汗が流れ息苦しさを感じるのだ▼カルナバルの都・リオの暑さも凄い。水銀柱は三七度にも達し灼熱の陽光が人肌を鋭く突き刺す暑さである。湿度も高い。であるのに─カルナバル好きは生まれつきのものらしい。移民船でサントスに着いた翌年だったかにカルナバルを見物するためにリオに向かった。あの熱気と躍動感には仰天し感動も。まだサンボードロモのない頃ながら市民の参加と情熱に圧倒されたものだ▼観光用にと造られたリオのサンボードロモ観覧に出掛けたけれども何処かヨソヨソしいの印象が色濃い。豪華絢爛なのだが、何か「観光客」を感じてしまうのは、遯生の僻みか。 (遯)

03/03/01