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バークリー音楽大学から=前川さん、一転サンバへ

3月4日(火)

 米国ボストンの名門バークリー音楽大学でクラシックを専攻・卒業し、日本帰国後に一転、サンバのボーカルをはじめたSoniaさん(本名=前川晴子、二六)が二月八日に来伯した。実は彼女、両親がブラジル駐在していた関係で、三年間こちらでアメリカンスクールに通っていた。
 「その頃は英語の勉強に手一杯で、サンバに興味はなかったんですが、バークリーに行ってから、逆にブラジル音楽を聞く機会が多く、改めでその凄さに気付きました」と回想する。
 卒業後、日本に帰国し、「やるなら今だ!」と三歳からやっていたクラシック音楽(マリンバ=木琴)から、サンバのボーカルに転向した。「もともと打楽器をやってましたから、メロディや歌詞より、リズムやグルーブ感(高揚したリズム感)のあるものが好き。クラシックのように1、2、3、4だけでいかない独特のグルーブ感に、どう歌を乗っけるのか、というのが楽しいですね」。
 日本におけるブラジル音楽バンドの老舗「シャカラ」を作った加々美淳さん(ギター、ボーカル)と、昨年四月から一緒に音楽活動をはじめた。
 加々美さんはバークリー音楽大学、ロンドン王立音楽院で学び、ブラジルでも国立マルセロ音楽院で民族音楽の研究をした後、八五年に日本へ帰国し、同バンドを作った。アルバム『レシーフェの風』などが有名。ブラジル音楽に造詣が深く、坂本龍一、小室哲哉、ザ・ブームなどにも音楽面の協力もしている。
 加々美さんは現在リオで新CDの収録をしており、前川さんはそれに同行してきた。「収録に参加しているブラジルのミュージシャンたちは、本当に凄い人ばかり」と驚く。「リオのバールの生演奏に飛び入り参加して、何曲か歌わせてもらいました。〃日本人がサンバを歌ってる!〃って面白がってくれました」。前川さんらは三月七日に帰国する予定。