3月6日(木)
パラグアイ・アスンシオン市のバイリンガル校、「日本パラグアイ学院」が存続の危機に瀕していたことが二十四日、分かった。同学院はアスンシオン日本人会が経営する日本語学校の教室を借りて、授業を展開している。日本語学校関係者の一部に、現地への生徒の同化が早まるといった懸念が広がったため。同日本人会は二十三日、定期総会を開き、日パ学院との両立の可否を討議。日系社会の将来のためにも、日パ学院と協力関係を強めることで、合意に達した。
日パ学院は日本パラグアイ学院基金により創立され、〇一年二月に授業がスタートした。校舎を建設する余裕が無く、日本語学校の教室を借り受ける形になった。
昨年末までに、幼稚園年中、年長、小学一年、二年まで学年ができた。
生徒の約六割が非日系人で四割が日系人。日系人と言ってもほとんどは、混血児だという。
両学校が同一の校舎を利用していることで、日本語による合同授業の話が持ち上がった。
日本語学校の父兄から、非日系人との混合クラスになれば、子供たちの日本語レベルが落ちると、苦情が出た。
妥協案として、年中、年長の午後の部に限って、合同授業が進められることになった。
教師は日本語学校、日パ学院からそれぞれ一人ずつ、派遣される。一人の教師を雇用するだけで、二人クラスを運営することになるため、経営側にとって、都合は良い。
だが、教員免許を所持する日パ学院の教師と、教師資格のない日本語教師。両者には、待遇に差が生まれ、もめごとの原因につながった。
〇三年度をもって、日パ学院に校舎からの退去を求めるべきか否かをめぐって、日本語学校が割れた。
今年十二月までという借用期限は設けずに、今後も話し合いを続けることで意見がまとまった。
日パ学院は、〇六年のパラグアイ移住七十周年の記念事業として、校舎を建設。〇八年に移転する予定にしている。