3月6日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二月九日】ペトロブラス石油公団は二月八日、日本からハイブリッド・カー(ガソリンまたはジーゼル・エンジンで発電し、バッテリーに蓄電しながら電気モーターで走る複合動力源を持つ自動車)を輸入して、将来の国産を目指し試運転を行うと発表した。
輸入されたのはトヨタ製のプリウスとホンダ製のインサイトの二種、燃料効率が高く環境に優しいことで、欧米の消費者の注目を集めている。同公団エンジン部の鑑定では国産車より燃料は三〇%から五〇%節約になり、低公害の未来車として定評がある。
科学技術省は、サンパウロ市のエレトラ社がハイブリッド・バスの試作を手掛けたことがあり、生産原価は割高だが経常費が割安のため通勤バスへの技術導入を奨励している。
◎
ブラジル・ホンダの近藤広一社長は、「ハイブリッド・カーは最初に電気モーターで走り、速度がついてくるとガソリンエンジンに切り替わる車で、日本と米国で販売している。ブラジルで売るとしたら、二五%アルコールが混入したガソリンに対応しなければならない。ニーズはあると思うが、まだ時期尚早」などと見解を述べた。ペトロブラスがホンダのインサイトを輸入したと伯字紙が報じたことについて、「ペトロブラスからコンタクトがあったわけではない」と説明した。
ブラジル・トヨタの高坂ジルベルト取締役は、「ルーラ大統領からアルコール車に力を入れてくれと頼まれたことはある。ハイブリッド・カーはアメリカがスタートしたばかりで、ブラジルでの販売は全く考えていない。伯字紙は、うちの工場に置いてあったプリウスの写真を撮って掲載した。なぜ、あのような記事になったのか分からない」と、ハイブリッド・カーのブラジル生産を否定した。