3月8日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】連邦政府は六日、遺伝子組み換え(GMO)大豆の国内市場での販売許可に向けて法整備を行うことを決定した。公式には同大豆の生産と流通を禁じているが、今年収穫された四千九百万トンの大豆の内一〇%以上がこの種の違法大豆であるため、大統領府はその国内市場への流通で法的措置を検討することにした。違法植え付けが広範囲に公然と行われていたことで、前政権の監督管理を批評する声もある。
シンジェル報道官の発表では、数千人の農業生産者がGMO大豆を植え付け、収穫量も多く大量の大豆が今年度サフラに混入されているとした。今年も大豆は未曾有の大豊作であることで、ルーラ大統領は徐々に流通ルートへ流すように法的措置を講じることを決定した。
十五日から始まるサフラは金額にして十億ドルとされ、多数の小農生産者が即時現金収入を必要としている。来年度作付けは禁止としながらも同問題の早急解決が要求されている。
関係省庁会議でフルラン産業開発相は、GMO大豆が将来、世界的主流になることで国内法の即時整備を要求した。環境保護団体には衝撃的見解だが、国際大豆市場でブラジルの立場を有利に保持するため現実主義を強調した。
同大臣は、GMO問題で最も保守的とされるEU市場でさへ解禁し、GMOと在来種を同等扱いをしていることを訴えた。解禁された場合、農場や物流ルート、積み出し港湾を別々にして混入を防止しなければならないようになる。
国内市場もGMO大豆への偏見は徐々に矯正されると、同相は述べた。国内で同種大豆が自由販売となれば、生産コストが格段安価なGMO大豆へ、在来種生産者が全員殺到しないために補助金か奨励金を支払うようになるという。
世界で主な大豆輸出国はブラジルと米国、アルゼンチンの三カ国であり、米亜両国は輸出戦略で有利なGMO種に切り替えている。農業技術の驚異的発展を見るとき、ブラジルが自ら障害物を設けて時代の波に取り残されないようにと、フルラン大臣は警告した。