3月8日(土)
【フォーリャ紙七日】ブラジル人女性の出生率は世界平均より低いが、所得、教育といった条件によって大きく変わることがIBGE(ブラジル地理統計院)の調査で判明した。
二〇〇〇年のブラジル人女性の平均出生率は二・三八で、世界平均の二・八より低く、七〇年代以降加速をつけて低下しつつある。ヨーロッパ諸国が百年かけて下げた出生率を、ブラジルはわずか三十年で下げたという。経口避妊薬の普及、不妊手術の技術向上、女性の労働市場への進出と消費スタイルの成熟による家族生活の変化が、出生率低下の主な原因とされている。
一方、出生率の格差は非常に大きい。最低賃金の四分の一(五十レアル)以下の月収を得る家族の平均出生率は五・三で、同五倍(千レアル)以上を得る家族の率は一・一。五・三はアフリカのナミビアと同率で、一・一はヨーロッパ諸国よりも低い。また、女性の就学年数も出生率の格差を生み出す。一年未満の初等教育修了者の出生率は四・一二、初中等教育(十一年間)修了者のそれは一・四八となっている。
出生率の高低は本来、善悪を意味しない。しかし、高出生率は、乳児死亡率の上昇、生活水準の低下といった問題を引き起こす。ブラジルには家族計画、女性の健康に関して優れた政策があるが、最貧困層に情報が行き渡っていない、と人口統計学の専門家は指摘している。