3月11日(火)
国際交流基金主催の「平成十四年度南米日本語教育巡回セミナー」が二月十日から二十四日まで、ブラジルのベレーン、クリチーバ市、ボリヴィアのサンタクルース市で実施された。三市合計で、百十人が参加。年少者への日本語教育などについて、ノウハウを授かった。国際交流基金サンパウロ日本語センター(梅宮正勝所長)は七日、結果を報告した。
講師は中島透国際交流基金サンパウロ日本語センター客員講師、小松和子サンチアゴ大学客員講師。それぞれ、「年少者の日本語コースデザインを考える(多様化する学習目的と価値観)」、「初級レベルの聴解及び会話の練習について考える」をテーマに講演した。
今年は、サンパウロやブエノスアイレスといった大都市での開催を避け、これまで巡回回数が少ない都市が開催地に選定された。
ボリヴィアにはオキナワ移住地などがあり、移住事業を展開しているJICAとは関係が深い。
基金の巡回先としては、初めて。四十人が集まり、広報活動にもつながった。
バイリンガル校のオキナワ第一日本語学校も視察した。文部科学省認定の国語教科書に近いもので、移住者の生活に合った教科書の作成を望んでいるという。
ベレーンには、非日系人のアレシャンドレ・モラエスさんが通訳として、同行。現地の日系日本語教師に衝撃を与えた。
クリチーバに集まった教師は大学関係者、都市部、地方部に分類された。学習者の層はそれぞれ異なる。多様化する学習者への対応が課題になっている。
巡回セミナーは基金の本部事業の一つ。日本語能力試験についで、知名度が高い。予算削減の影響で、今年は年二回の開催を年一回に止めた。日本から講師を派遣することも出来なかった。
阿部主幹は、「これからも年一回の小型のものが続いていくのではないか」と、見通しを立てている。