3月11日(火)
七日午後、ブラジル日本文化協会(岩崎秀雄会長)が運営している国士舘大学スポーツセンターで、同センター管理人の大島八郎さん(六九)が鶏舎の屋根から落ちて死亡した。大島さんは落下した後、救急車で近くのバルゼングランデ病院に運ばれ、間もなく息を引き取った。大島さんはセンター内にある鶏舎を取り壊すために、屋根に上った。鶏舎の木材を再利用して、マレット・ゴルフのクラブ・ハウスを建てる計画だった。
安立仙一文協事務局長によれば、大島さんは七日、同センターで働くマノエル・ガルシア文協職員が「トラクターで鶏舎を解体した方が早くて安全」と注意したにもかかわらず、鶏舎の屋根に上がり解体作業を始めた。
マレット・ゴルフ部が国士舘スポーツセンターに結成されたのは二〇〇〇年十二月十七日。サン・ロッケ市など近郊にすむ日本人、日系人が中心になってマレット・ゴルフを楽しむ人が増え、雨宿りしたり、休憩する場所としてクラブ・ハウスを建ててほしいと要望する声が高まった。センター敷地内には鶏舎があり、これを解体した材木を利用してマレット・ゴルフ部の建物を建てることになった。 大島さんはトラクターで鶏舎を壊せば、いい材料が取れないので、自ら鶏舎の屋根に上がり材木にきずをつけないようにていねいに解体しようと考えたようだ。マノエル職員がいくら止めても、言うことを聞こうとしなかった。一本気なところがあったようだ。
大島さんが墜落し、マノエルさんたちはすぐに救急車を呼んだ。病院に着いたときはまだ息があったが、手当のかいもなく間もなく死亡した。大島さんの葬式は八日、サンパウロ市ヴィラ・アウピーナ墓地で行われた。コチア市の鑑識医院(IML)が遺体を荼毘に付すことを禁じたが、十日までには遺体を焼く許可が降りた。大島さんは十一月に七十歳の誕生日を迎え、文協定款により定年退職するはずだった。