3月12日(水)
[既報関連]一九六三年九月一日の開校以来、継続して日本語学校を運営しているイグアスー日本人会(井上幸雄会長)は、移住地に住む非日系子弟の日本語学習熱に応えるため、今年の新学期から「非日系児童日本語教育推進基金」を発足させる。会員に限らず、内外の賛同者に広く協力を求めている。イグアスー日本語学校(菅原祐助校長)は、小学一年から中学三年までの一貫教育を行っている。
授業は小学部が月水金の午後、中学部が火曜日の午後と土曜日の午前。教室の数が十分でないため、小学二年生は土曜日の午前中に授業がある。日本語学校での授業が午後となっているのは、日系子弟も午前中はパラグァイの学校に通っているためである。
そのパラグァイ学校で、木曜日の午後はクラブ活動があるため、この日は日本語学校での授業はない。
日本語学校での一日(午後)は、校庭に日系・非日系の全校生徒が集合して、日本の国歌斉唱で始まる(パラグァイ国歌はパ学校で午前中に斉唱している)。続いてラジオ体操。そして、日本語理解を深めるため日本の童謡を歌う。
校歌斉唱は週一回だ。週の始めには校長の話がある。授業時間は三時限。一時限四十五分の授業である。最初の二時限は日系と非日系子弟に分かれての授業で、それぞれ日本語能力の向上に力点がおかれている。休憩時間をはさんで三時限目に混成授業を行い、子弟同士の交流を通して、相互の日本語会話能力の促進をはかっている。
非日系子弟のための日本語教育は〃ラパーチョ・コース〃という名称で二〇〇〇年九月に始められた(本紙二OO二年八月二十二日報道)。今年の生徒数は百二十八名。校長を含め十二名の教職員が一丸となって日系・非日系子弟の教育に取り組んでいる。「登校拒否生徒はおりません」(堤和子教頭)というように、子供たち同士の融和が進み、楽しい雰囲気となっている。
移住地に生まれて日本語学校を卒業した伊藤留美さんと深見美奈さんの二人が、大学に進んで教師の資格をとり、〃母校〃に戻って活躍している。「非日系児童日本語教育推進基金」は、大豆栽培が軌道に乗って躍進を続けているイグアスー移住地の誇りを象徴しているようだ。