3月13日(木)
日本からの報道によると、在ブラジル原爆被爆者協会の森田隆会長(七九)が国と県に健康管理手当の支給などを求めている訴訟で、和解協議が四月、開かれることになった。足立修一弁護士が同月、来伯、被爆者らと詳細について、意見調整する。同会長は要望事項が認められないなら、和解に応じるつもりはないとしている。
森田会長のほかに、九人が二次、三次訴訟を起こした。同種訴訟を併合する形で、和解協議は行われる。
国と県側は、提訴時からさかのぼって五年以前の未払分を「地方自治法に基づき時効が成立する」と主張。一方、原告側は、未払分すべての支払いを求めており、時効分の取り扱いが焦点になる。
森田会長は、ブラジル国内での医療給付を求めている。日本国内居住者と同等の援助が受けられるとしても、手続きの申請地や指定病院が日本国内に限られるなら、根本的な救済にならない。
昨年末、在韓被爆者訴訟で原告側が勝訴。国は同種訴訟について、争わない意向を固めた。森田会長は、国の方針が不透明だと、裁判を取り下げなかった。
現地での医療給付は訴状に入っていない。健康管理手当の支給について、決着がついても、要求通りの支援が受けられないなら、別種裁判を起こすことも視野に入れる。
森田会長は、「健康管理手当を支給するというだけで、手続きなどが日本に限定されるのは納得出来ない。進歩がありません」と、国の対応に反発している。