3月18日(火)
九九年度パウリスタ・スポーツ賞を受賞した落合ギリェルメ優次選手(二一)が、日本の学生テニス界で大活躍している。昨年八月の全日本学生テニス選手権大会でチャンピオンに輝き、今年三月十日にはその功績により、留学先の日本大学からも表彰されたと、十九日付ニッポ・ブラジル紙は報じている。
落合さんはティジュクス・プエリドムス高校に在学中に、日系テニス・センターの推薦によりパウリスタ・スポーツ賞を受賞。その後、日本大学商学部に留学し現在二年生。
昨年の全日本学生テニス選手権(インカレ)は八月三日から十一日に、昭島市の「昭和の森テニスクラブ」で開催された。男子は七十回の伝統を持つこの大会からは、七年連続全日本ランク一位を続けた福井烈氏、日本初プロプレーヤーで現デビス杯監督の神和住純氏など、数えきれない名選手が歴代優勝者に名を連ねる、学生日本一を決める大会だ。
シングルス決勝戦は李興雨(近大)選手との留学生対決となり、落合さんは見事優勝を飾った。日本テニス協会公式メールマガジン『テニスファン』二十九号に、有名な元プロプレーヤー森稔詞さんは「(落合は)勝つということに対して、大会参加の選手の中で一番貪欲に戦っていたと思う。落合の初優勝を心から祝福したい」と書き記している。
また、シングルスは二年連続の留学生対決、六年連続の留学生優勝という事実に対しても、「日系ブラジル人の落合君と話した時に国籍は何処にあるの〃日本?ブラジル?〃と聞くと自信を持って〃ブラジルです〃。このプライドを日本の学生は忘れているんじゃないかと。(中略)異国と言えるこの地でこれだけ頑張ったことに敬意を表したい。日本の学生より彼らは大人だった」と褒め上げている。
落合さんはニッポ・ブラジル紙に「今年、世界ランキングに入れるように点をあげたい」と語っている。二十ポイントを獲得して世界ランキング六百位以内を目指すそう。このまま日本で選手生活を続け、デビス杯に出場できるのなら帰化も厭わないとも。
「ブラジルではトップ・グループに入るのは不可能に近い」。ブラジルでデビス杯に出場するためには世界ランキング五十位以内でないと難しいが、日本なら二百位以内でも可能だと同紙は解説する。
落合さんには心強い先輩がいる。八五年にパウリスタ・スポーツ賞を受賞した古庄大二郎選手(三四、帰化人)は九〇年に全日本選手権シングルスで準優勝し、九一年と九三年のデビス杯代表に選ばれ、現在もプロ選手として活躍している。数年以内には、落合さんが〃日本のグーガ〃となる日が来るかもしれない。