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コラム オーリャ!


 秋が近い。ショッピングに行けば衣替えをせかされる時期になった。
 〈夏くればなつふくかるく身につけて潔癖なりしその生きの日々〉。亜熱帯に長いとつい服装に頓着しなくなってしまうが、季節に応じた身なりを整えようと思う。
 スザノ福博村の大浦文雄さん宅にある歌碑で見た。父要さんの作品だという。「この碑はわが家のへそ。守っていきたいのだが」。そう言うと大浦さんの表情が曇った。
 村の治安悪化が目立つ。周辺にある貯水池の緩衝地帯に土地なしが住み着き、強盗を働き出した。老夫婦のみで暮らす家が増えたところを狙われている。子供を頼り町へ引っ越す者も相次ぐ。
 大浦さんは最近街路に続く庭先にジャカランダの木を植えた。紫色の花に見送られて死にたいとの願いからだ。「ここを動きたくない」―。終の棲家とした村を年老いて離れる悲しみは想像以上に深い。    (大)

03/03/18