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イラク戦の影響は最小限に=財務相、国内経済で見解=インフレ懸念は消えず

3月20日(木)

 【既報関連=エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】アントニオ・パロッチ・フィーリョ財務相は十八日、国会で開かれた予算・金融・税制委員会会議で、「政府は米国の対イラクの戦争がブラジル経済に影響しないように最善の努力を尽くす」と述べ、「今のところ、ブラジルの各経済指数は良好に推移している。この状態を維持していきたい」との姿勢を表明した。
 パロッチ財務相は、イラク戦争への懸念が強まる中で、ブラジルの国際的評価が上がったことを指摘。Cボンド相場(外債証券)が回復を見せ、カントリーリスクも下がっている。
 反面財務相は「インフレの心配はまだある」と認めた。「最近のデータで少しは下がったものの、インフレはまだ高い。インフレが下がるために努力している」と話した。国際通貨基金(IMF)に提出し、承認を得た経済計画趣意書の中でも、国内の価格傾向を中心に見直しが行われた。
 パロッチ財務相とギード・マンテーガ予算管理相は十八日、国会で下院・上院議員らに今年度予算割当てを説明した。財務相は始めにカルドーゾ政権から引き受けた経済状況について話した。
 財務相は経済危機がひどかった昨年九月に、Cボンド相場が五〇%まで下がり、カントリーリスクも二千四百ポイントに達したと述べ、少しずつこの二つの指数が回復を見せたと解説した。十八日のCボンドは七九%まで上がり、カントリーリスクは一千四十ポイントまで下がった。
 「現政府が間違った経済政策をしているのではなく、以前は大げさにネガティブな評価を受けていたのだ」と、パロッチ財務相はコメント。「厳しい財政政策で対応したことが、ブラジル市場の信用を取り戻した。外債を増やして公共予算の融資をするようなことはしない」。
 パロッチ財務相は、ブラジル財政が完全に固定化するには、年金制度などの改革が必要だとし、「現時点では、国会の手に決断を委ねてある」と改革案の可決を促した。