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鶏肉はイラク特需=中東諸国向け大量輸出

3月21日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】ブラジルブロイラー協会のマルチンス理事は十九日、中東諸国が米国のイラク武力介入を年初から予見、鶏肉の大量在庫に奔走し思わぬ盛況にうれしい悲鳴を上げていると発表した。
 米英軍突入前の二カ月間に、ブロイラー業界は中東向け鶏肉輸出の注文が殺到し、昨年の同期比五六%増で、しかも価格が高め設定で利益を多く計上し笑いが止まらない様子だ。
 中東諸国は、今回のイラク武力介入が長期戦になると見ているようだ。長期戦となった場合、戦乱に巻き込まれる可能性のある輸入国は、事態を深刻に受け止め価格の多少にこだわっていられないらしい。
 鶏肉輸出は、一月のイスラム教の巡礼祭とイラク情勢の険悪化が原因で昨年同月比で五七%増、金額にして一億一千五百八十万ドルもあった。二月の輸出は、まだ集計されていないが同程度と予想される。
 鶏肉全体の輸出内訳は丸が三八%、正肉が五八%、すり身が五%だが、中東は一〇〇%丸ごと輸出だ。国内市場は一日、飼料の高騰により一〇%の価格調整を行ったが、輸出による品薄ではないと説明した。イラク特需で注文殺到しても、国内需要を十分賄う生産能力があるので品不足は起きないと協会はいう。