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イラクに神の加護を=サンパウロ市のイスラム教徒ら祈る

3月21日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】サンパウロ市のイスラム教徒は同朋イラクへの連帯意識を込めて、サダム・フセイン政権に崇高な慈悲深きアラーの神の加護があるようにと、サン・ベルナルド市のモスクで合同祈祷会を行っている。導師のハッサン師はシリア系ブラジル人、メッカで十一年修業した。
 イスラム教徒は温厚で辛抱強いが、同朋のパレスチナ人が安堵の地を得るまで彼らに平和はあり得ないと運命共同体を宣言している。イスラム圏で最も偉大な指導者はエジプトのナセル大統領であったが、残念ながら彼に代わる指導者がまだ出ていないと、イスラム教徒は一様に嘆く。
 米政府はイラクを手中に収めたら、必ず次の石油産油国に食指を動かすとイスラム教徒は見ている。米英の目的はイスラム圏を親米派と嫌米派に分裂させて、中東の石油を支配下に置く魂胆だと考えている。イスラム教徒は種族が違っても、宗教で一致団結できる民族と自負している。
 イスラム教徒の指導者らは、ニューヨークの同時多発テロ事件がオサマ・ビンラデン率いるアル・カイダの犯行ではなく、イスラエルのモサドの犯行だと語った。ワールド・センターには事件当時、四千人の職員と多数の顧客が訪れていたが、ユダヤ人だけが難を逃れたのは前以て知らされていたからだと告発した。
 前回の湾岸戦争では農作物が爆撃で荒らされ、戦後は食糧と医薬品の輸入が制裁措置により封鎖され、イラク国民の反米感情は極度に高まっている。ブッシュ大統領は、イラク国民の燃える反米感情に油を注ぐつもりだと、イスラム教徒の指導者らが憂慮している。