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政府、年金税制改革急ぐ=来月15日まで結論=国際情勢の急変に備え=米への戦費協力も予想

3月22日(土)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十一日】第二次湾岸戦争による国際情勢の急変に備え政府は二十日、経済開発審議会に年金と税制改革の原案を早急に取りまとめるよう求めた。四月五日までに原案を大統領に提出、四月十五日までに経済開発審議会の最終結論提出となった。イラク攻撃が終結すれば、米政府は戦争費用の分割負担を各国へ請求するのが明白であり、程度差こそあれ軍費の拠出は免れないと政府がみている。
 経済開発審議会のジェンロ議長は、戦争による危機感を煽ったものではなく経済審自身が、その必要を感じていたと述べた。パロッチ財務相の提言で経済審は、ヴィエガ国防相を招き臨時会議を招集する。国防省情報部の中東情勢報告と原理主義者の動向、ゲリラやテロ組織の動き、今後の見通しなどを聴聞し、三月三十一日までに経済審は原案をまとめる予定だ。
 政府では戦時機運が盛り上がり危機感が政界や財界を覆っている機会に、一連の改革を強行する打ち合わせが行われた。第二次湾岸戦争が国際経済にもたらす危機は容易に想像でき、いまが改革のチャンスと関係者はみたようだ。
 これまでの予定では年金改革を五月、税制改革を六月としていたが前倒し変更とし、戦争による不測事態に備えることにした。
 税制改革は地方自治体代表と企業代表との間で、すでに合意が成立し改革原案は大筋で完了している。税制体系の統一と生活必需品の減税、小切手税の段階的減税を盛り込む連邦令の修正を行う段階にあると、財務相は述べた。
 年金改革についてはジェンロ議長が、緊急事項と労働法に関わる急がない部分に分けると述べた。緊急事項は一、新公務員の補足年金基金(PL9)設置。二、公務員年金は本給に基づく。年金新受給者も負担金を支払う。三、遺族年金は三〇%削減。四、公務員勤続期間を最低十年に延長。五、定年年齢引き上げの五点に絞られるとしている。
 軍人恩給は、連邦令以外の法律に関係があり後回しとなるが、早期決着がつくと予想されている。
 改革案は国会へ上程する前に、大統領が財政難に苦しむ州知事らに交付金引き換えで合意の捺印をとり、再度念押しを行うようだ。そのための時間も考慮して、改革の前倒し決定に至ったともいえそうだ。