3月22日(土)
米軍が二十日午前零時十五分(ブラジル時間)にイラク攻撃を開始した事を受け、サンパウロ総領事館(赤阪清隆総領事)は同日付で『安全対策だより』臨時号を発行、ホームページで米国領事館などの米・英・イスラエルの施設に近寄らないように注意を呼びかけている。同総領事館が臨時号を出して、駐在員を含む日系社会に安全に関する注意を喚起するのは異例のこと。反戦集会などの場所にも近寄らないように述べている。
【テロ関連情報 】
十九日、米国等による対イラク軍事行動が開始されたことにより、以下のとおり「渡航情報」が発出されておりますので、参考にしてください。
なお、当地においては、米国総領事館等に対する抗議行動もみ込まれていますので、このような集場所には近寄らないようにしてください。
また、当地でのテロ事件発生の可能性につき、当地治安機関関係者に聴取したところによれば、可能性は極めて低いが、全くないというわけではないとのことです。米国におけるテロ事件が発生した際にも、ブラジル国内において小規模な爆弾事件なども発生していますし、また、一九九五年当時にウサマ・ビン・ラーデンやアル・カーイダの幹部がフォス・ド・イグアス市に滞在したことがあったとの情報もあり、テロリストが当地に潜伏している可能性も否定できませんので、米・英・イスラエル等の総領事館および同国関連施設等には、なるべく近寄らないようにしてください。
特に、大規模な攻撃が予想される二十一日以降については、さらに反米、反英感情が高まることが予想されますので、当地のマスコミ報道や渡航情報等と通じたテロ関連情報の収集に努めてください。
【渡航情報 】
米・英等による対イラク軍事行動の影響で、今後、反米、反英感情の高まり等を背景として、各地の米国、英国及び関係国の大使館・政府関連施設、軍事基地、船舶・航空機、経済権益及びソフトターゲット(より狙いやすい標的)を標的としたテロ攻撃の危険性が高まることが予想されます。また、両国と緊密な関係を有し、この軍事行動に指示を表明している諸国の権益等がテロ攻撃の標的となったり、治安情勢の悪化や不測の事態の発生についても懸念される情勢にあります。
特に、対イラク軍事行動参加国(三月二十日現在、米、英、豪等)、イラク近隣諸国、アフガニスタン、パキスタン、イスラム過激派によるテロ事件がすでに発生した東南アジア地域やアフリカ地域においては、テロ攻撃が懸念されます。
米国権益等に対するテロ攻撃の警告やジハード(聖戦)を呼びかけるウサマ・ビン・ラーデンはじめアル・カーイダ幹部による声明等については、これまでも度々渡航情報により注意喚起を行っていますが、上記声明等においては、米、英の他、仏、独、伊、カナダ、豪、ヨルダン、モロッコ、ナイジェリア、パキスタン、サウジアラビア、クウェート、バーレーン、カタールについて言及されています。現在のところテロ攻撃に関する具体的な情報はありませんが、テロ事件や不測の事態がいつ何処で発生するかを予想することは困難な情勢にあります。
(問い合わせ先)
○外務省領事移住部邦人特別対策室(テロに関する問い合わせ)電話 (代)03(3580)3311(内線)3100
○外務省海外安全相談センター(国別安全情報等)電話(代)03(3580)3311(内線)2902
○外務省 海外安全ホームページhttp://www.mofa.go.jp/pubanzen
【その他】
本たよりに関するご意見、ご要望については、下記連絡先までお願いいたします。在サンパウロ日本国総領事館(電話=287―0100、FAX=288―9460(担当:高橋)