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基金の梅宮所長帰国=「文楽」など多くの業績残す

3月22日(土)

 国際交流基金サンパウロ日本文化センターはこのほど、梅宮正勝氏から吉井弘氏に所長を交代した。二人は二十一日来社、あいさつした。
 梅宮所長は一九九八年以来四年半の勤務。前回八六年の勤務と合わせると八年半のブラジル勤務となる。「永久帰国を命ぜられました」と冗談交じりに帰国あいさつしつつ、「愛着は残る」とブラジルを離れる寂しさを隠し切れないようだ。今回着任した九八年は、基金事務所が文化センターに昇格した年。映画、演劇、講演、コンサートなどの事業を開き、ブラジル人に基金の存在を十分認知されたと思うと評価した。
 最も印象に残っている事業は「文楽」。「歌舞伎」、「能」、と共に日本の三大古典芸能の一つを三年がかりで実現した。九九年に基金から発行された『武蔵』のポルトガル語翻訳本は現在七万数千部が売れている。ブラジルでは三千部以上売れるとベストセラーと言われることを考えれば、超ベストセラーとなっている。
 帰国後は大阪市が運営する大阪国際交流センターへ出向、企画事業部長に就任する。
 二十日に着任した吉井所長は、ブラジルは初めて。海外は八三年から二年四カ月、イタリアのローマ文化会館に勤務した経験がある。経理が専門で、これまで以上に文化事業が行われることが期待される。「日本語教育にも力を入れていきたい」と抱負を述べた。