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文協執行部改めて引退表明=評議委、総会開く=決算報告で一時紛糾=「決算作成委」発足へ

3月25日(火)

 ブラジル日本文化協会(岩崎秀雄会長)は二十二日午前十一時半から、文協ビル小講堂で第四十七回定期総会を開いた。二〇〇二年度の事業報告と決算報告、〇三年度の事業計画案と予算案が審議され、文協改革委員会が提出した評議員シャッパ(候補者名簿)が認められた。同午後一時四十分、二宮正人第一副会長が閉会あいさつの中で「文協改革のため、現執行部は退く」と述べ、近く組織される新理事会へ期待を託した。

 総会は第二次招集から一時間も遅れて開会した。これは同午前九時から行われた評議員会が、〇二年度の決算報告の審議で遅れたため。評議員の一人は、「文協が今までいかにずさんな会計報告をしてきたか、よく分かった」とため息をついていた。横田パウロ、下本八郎さん二人が、現執行部の努力をねぎらいつつ、経理、会計の専門家の立場から「単に技術上の問題であり、文協会計を透明にしたいだけ」と強調した上で「国立社会保険院(INSS)と係争中の未払い分を、あたかも支払わなければならない借金として記載し、文協の固定資産評価格から差し引いて決算報告するのはおかしい」と異議を唱えたことによる。
 評議員会で問題となったINSSの取り扱いをめぐる意見の対立は、引き続き文協総会にも持ち込まれ一時収拾が着かなくなるかの様相を呈した。文協改革委員会の事実上の代表者、渡部和夫さんが、「会計の専門家たちの協力を得て委員会を組織し、席を改めて〇二年度の決算報告を正したい」と提案し、出席者の拍手でこの提案が受け入れられた。
 総会には約百二十人が出席した。〇二年度に亡くなった文協会員に対し一分間の黙とうが捧げられ、開会した。岩崎文協会長は、「文協会長を務めて二期四年。私にとって最後の総会となる」と最後の総会を強調した。文協改革委員会で、現理事会は次期理事会には立候補しないことが決定している。
 〇二年度の事業報告、決算報告、〇三年度の事業計画、予算案が審議された。文協改革委員会が提出した百五十人の評議員、補欠評議員五十人のシャッパが認められた。岩崎文協会長は、「改革委員会は毎日のように会議を開き、夜遅くまでかかって評議員のシャッパを作成した。見ていて気の毒になるほどだった」と、改革委員会のシャッパ作成の努力を報告した。
 約二時間の審議後、二宮副会長は「私は約十年間、文協の執行部にいた。現執行部はこのほど退くことになった。私は文協再建のため誠心誠意、頑張ってきたつもりだ。これからも新しい文協執行部を支持していく所存です。この十年間、諸先輩方のご指導ご鞭撻をいただき、ありがとうございました」と閉会あいさつした。