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財務相、年金改革に強気姿勢=健全財政が最優先=上程手続き遅延認める=「目的に向け党内結束を」

3月27日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】年金改革遅延の調査報告を受けたパロッチ財務相は二十五日、「急がば回れ」の譬えで手続きが迂回しているが、厳格な財政政策が断行されるために弱腰な改革ではないと強気の姿勢をみせた。改革原案に関係者の意見を広く取り入れたため上程が遅れたが、譲歩と寛容にも限度があるとして最終政府案の議会提出を財務相が催促した。

 年内表決と実効を期する社会保障制度と税制改革案の議会上程に先立ち、官民同一の年金制度を基本とし、健全な国家財政が最優先であると財務相は強調した。財政政策の根幹となる改革なので、手続きの遅延は当然の経緯だと述べた。
両案は独立した法令ではなく、補足令として連邦令に追加するという。年金改革は経済開発審議会を通じて産業界と十分検討をつくし、大統領自身も企業訪問をするなどひ弱な改革案ではなく毅然と明記された法令で、団体関係者によって空文化されるリスクはないと同相は太鼓判を押した。
 政府は就任早々、国家経済の荒療治をしたことで、イラク戦争の余波に翻弄されることなく徐々に回復していると財務相は述べた。改革に向けてカントリー・リスクの低減や通貨の安定も整いつつあり、改革の妨げとなる外的要因が撤去され、躊躇するものは何もない筈だと訴えた。
 調査機関が指摘するPT党内の障害物について、財務相は党員が党規と民主主義を勘違いしていると批判した。これまでPTは自由に意見を述べ議論百出することもあったが、一つの目的に向けて結束することを忘れていると警告した。 
 調査結果について、調査では議員独自の理想論に基づくが議会の表決では独自の利害に基づくので、調査結果と表決結果は異なると財務相は見解を述べた。財政改革では批判が続出したが、年金改革に至っては全議員が健全財政を前提とすることで同意した。
 年金改革は、総論賛成各論反対という初期の議論段階を経るのは普通という。財界代表や産業界代表、労組代表を招いた経済開発審議会でも、健全財政と経済安定の錦の旗を振れば、年金改革も税制改革も当然の帰結として全員が納得したと財務相は語った。