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ブラジル製ミサイル発射装置=イラク、戦場に配備

3月27日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】米軍の無人偵察機、デジタル衛星、爆撃機がイラク領内で、ブラジル製兵器のアヴィブラス・アエロエスパシアル社製複式ミサイル発射機、アストロⅡを追跡している。
 同機は九キロから百キロメートル内にある目標を射程に収める、三つのタイプのミサイルを発射でき、最も大型の二つの発射機運搬車は地表地雷をばら撒き、対装甲車、対人、放火用の「ボンブレ」型手りゅう弾約六十発を発射する散弾装置を装着できる。
 イラクは同機を初めて使用した国で、八一年から八六年の間にサダム・フセイン防衛省が購入した同機の数は不明。米国防省は五十台の発射機運搬車が運用に入っていると推定する。
 アストロⅡは八〇年代中頃以降、フセイン大統領の精鋭部隊である、共和国防衛隊に配備されている。湾岸戦争時に同機は最大限に活用された。以後、米英連合軍の攻撃において、同機は空爆の優先目標の一つとなった。米軍情報局はアストロⅡ用のミサイルSS=60/80をイラク側が改良したA42ミサイルによってVX級の毒ガスの使用が可能になると考えている。カタールのドーハにある中央司令部ブルックス中将は二十五日、アストロⅡを「米英連合軍にとって悪夢」とし、「見つけ次第破壊する」とコメントした。
 同機は、イラクの他にサウジアラビア、カタール、クウェート(推定)、マレーシアが購入している。