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MGO大豆 自由販売を許可=規制は馬耳東風の生産地

3月28日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】大統領府のシンジェル報道官は二十六日、現在収穫中の遺伝子組み換え(MGO)大豆を内外市場で販売容認する暫定令を、大統領が発令すると発表した。ただし九月から始まる来年度サフラではMGO禁止と、ロドリゲス農相が報告した。
 生産者は農業組合へ出荷するとき、種子はMGOか否か報告する義務がある。それを怠ると、次回農業融資差し止めと債務決済の延期を拒絶される。しかし、農業組合は二種類の大豆を別々に保管する設備がないという。組合の倉庫には次々出荷大豆が到着して、報告義務などどこ吹く風とばかりに入荷している。
 暫定令は二十七日発令され官報で公報されるが、八百五十万トンのMGOはすでに市場に出回り、仲介人も生産者も規制を全く知らないといっている。生産地ではMGOの植え付け面積が在来種より小面積であれば隔離は可能だが、南大河州の場合は大部分がMGOのため隔離は困難と見られている。
 市販の大豆は在来種かMGOかを包装に表示し、MGOは混合度合いも表示される。消費者は価格と睨み合わせ選択ができるという。農相は生産者や組合に、MGOをできるだけ輸出するように薦めている。
 価格と見栄えが物をいう市場で、MGOの実証が不可能な商品取引の行方が注目されている。消費者擁護団体は暫定令が公布されたら法に訴えると息巻いているが、MGO大豆油に至ってはどうなるのか不透明だ。