3月29日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日】地理統計院(IBGE)は二十七日、ブラジルの二〇〇二年年度国内総生産(GDP)が一兆三千二百十四億レアルとなり、一人当たりGDPが七千五百六十七レアルになったと発表した。経済成長率は一・五二%、一人当たりGDPは〇・二一%増、インフレ率を加算すると経済成長率は一〇・一一%、一人当たりGDPは八・七%増となる。
IBGE発表のデータは、ブラジルが二〇〇二年に対外関係で曲がり角にあることを明示している。政府の債務決済に必要な外資は、五百五十億ドルから二〇〇二年には百七十億ドルにまで激減した。財とサービスの国際収支は百十九億ドルの赤字であったのが、貿易収支や基礎収支の大きな成果により、二〇〇二年には二百七十九億ドルの黒字へ転換したからだ。
二〇〇二年度GDPの内容を見ると農畜産業が昨年比五・七九%増、工業が一・五二%増、サービスが一・四九%増。金額で見ると農畜産業が九百六十七億九千万レアル、工業が四千四百四十八億四千万レアル、サービスが七千九十八億七千万レアルとなっている。
一人当たりGDPをドル通貨で換算すると、二〇〇一年の二千九百六十二ドルから二千五百九十ドルに低減して、ブラジル国民は貧しくなっている。一人当たりGDPは、世界各国のそれと比較しても意味をなさない。ブラジルは生活必需品の市場価格が、世界水準より低く国民の購買力を比較することはできない。
GDPをドル通貨の平均価格で換算すると四千五百億ドルとなり、韓国の四千七百億ドルに遅れ、ブラジルは昨年の十一位から十二位に転落している。
発展途上国の経済成長率が平均四・六%、世界平均で三・二%のところ、ブラジルの一・五二%はかなり低い。二〇〇一年にはGDPが、メキシコやスペインにも追い抜かれた。
政府の消費が二千五百四十六億レアルに対し、国民の消費七千八百三十二億レアルは、GDPの六〇%に相当し、国民の購買力がGDPの牽引車の役目を果たしているとIGBEはみている。いっぽう国民の投資は、GDPの一八・七一%と過去十年の最低水準となっている。