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サラリーマン所得減少=サンパウロ市 85年以来の低水準に

3月29日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日】Seade(財団法人・サンパウロ州データ分析システム)とDieese(労組間社会経済調査・統計所)は二十八日、今年一月の労働者の所得が八五年以来最低の水準に落ちたという調査結果を公表した。
 調査によると、大サンパウロ市圏の職業従事者の平均実質所得(インフレ分を差し引いた平均所得)は一月に入って二・八%低下し、八百七十三レアルだった。この額は昨年同月比で八・八%の減少。今年一月の平均賃金は九百十八レアル、昨年十二月の〇・四%減で比較的安定している。給与所得者の所得は昨年同月比で八・二%の減少となった。
 数カ月間に渡る高いインフレ率が所得減少の大きな原因の一つだが、高給サラリーマンの解雇と転職率の増加も所得減少に影響を及ぼしている。再就職の際、低い賃金で契約が行われることが多いため。サンパウロ州の金属工業労働者の転職率は昨年、一一%に上った。
 五年間続いた減少傾向により、職業従事者の購買力は四八・九%、給与所得者のそれは四八・六%低下した。購買力の低下は失業増加の一要因になると調査責任者は話す。サンパウロ都市圏の二月の失業率は一九・一%で、一月の率から〇・五%上昇した。一九・一%は百七十八万五千人に当たる。