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1―2月の財政黒字 大幅増=過去最高161億に=財政責任法などが貢献=黒字目標さらに引き上げ

4月1日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日、時事三十一日】ブラジル中央銀行は二十八日、今年一―二月の財政黒字(債務償還分を除く)が過去最高の百六十億八千万レアル(四十八億ドル)となり、国際通貨基金(IMF)との間で合意した第1四半期の財政黒字目標(百五十四億レアル)達成に向けて順調に推移していることを明らかにした。累積黒字は前年同期の八十五億三千万レアルから大幅に増加した。

 財政黒字が二月に第1四半期の目標を超えたのは九八年以来、二度目。一度目は二〇〇〇年二月で、その時は九九年の為替危機後の回復期に当たり、ブラジル経済は楽観的見通しのもと、拡大を続けていた。〇〇年にGDP(国内総生産)は四・五%増加した。
 一月に画期的レベルに達した財政黒字は、二月に七十六億二千百万レアルとなり、これは九一年に中央銀行が調査を始めて以来、二月としては最高額となった。十億レアルの赤字だったINSS(社会保険院)を除き、政府は二月、すべての部門で黒字を達成した。国際石油価格の高騰によるペトロブラス(ブラジル石油公社)の増収も黒字達成に貢献した。
 経済活動が停滞している〇三年に政府を潤わせた要因は、インフレと〇〇年のLRF(財政責任法)。アルタミール・ロペス中央銀行経済局長によると、公共部門における浪費を制限し、赤字削減目標に達しない場合は罰則を科すLRFは〇〇年に既に実施に入っている。さらに、インフレも財政黒字に貢献した。〇〇年二月時点の過去一年間のインフレ率は七・八六%で今年二月の同率、一五・八五%のほぼ半分の値だった。物価上昇はCPMF(銀行小切手税)やCofins(社会保険融資納付金)といった税収の名目徴収額を増加させた。しかし、政府がインフレと同率で支出を修正せず、例えば議会に提出された予算案は三%か四%の修正しか行われなかったため、実質上、支出は大幅に縮減された。
 財政黒字の増加は、公共部門の債務を減少させ、GDPに対する債務の割合を安定させる。「為替水準が一ドル三・四〇レアルとして、GDPに対する債務の割合は一ポイント下がって三月には五五・六%になるだろう」と同局長は見込む。債務の累積額は二月末に九千四十四億レアルだった。FMI(国際通貨基金)と合意済の予測では、三月末時点での累積債務は九千四百五十七億レアルとなっている。
 二月の公共部門の支出は、利息支払込みで百四十五億レアルと、一月比で三十一億レアル減。それにより、二月の名目債務額は六十九億ドルと、一月比で二十三億ドル減となった。政府は今年のGDP比四・二五%の財政黒字目標を〇四年にはさらに上げるつもりだ。