4月2日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙一日】国際金融市場の平均株価指数が連日続落していることを受けて、イラク戦争長期化の可能性が明白としたジルセウ官房長官は三十一日、国際的不況の永続予測のもとに、外的要因に煩わされないブラジル経済独自の発展を期するよう訴えた。
同長官の見解では、イラク戦争は始まったばかりだがイラク周辺国の原理主義者を刺激したことで、イラク戦争が終結しても新たな飛び火戦争で継続し長期戦の様相に入ったことは明白と推論した。ブラジルは自分自身の足元を固める時だと、大統領府の社会協定ゼミで表明した。
経済発展のために富の再分配は必須条件だとし、国内市場の強化なくしてブラジルの将来はないと断言した。ブラジルは思想的に十分成熟しており、反グローバル政策も反米政策も不要だとした。これからはブラジルの発展だけを目指す政策をとり、国民不在の政策は不要と長官は述べた。
ルーラ大統領も二十九日、メイレレス中央銀行総裁をはじめ閣僚十人に同様の忠告をした。ブラジルの問題が国際不況に原因するという言い訳は不要だとし、努力により難関を突破することを要求した。
官房長官は、ブラジル経済が世界不況に耐えられるだけの体力をつけていると述べた。これは九〇年代の後半五年、ブラジル経済が低迷し経済改革に向けた政治的合意ができなかったため、米州開発銀行のイグレシア頭取が「失われた九〇年代」と発言したことに触れたもの。