4月2日(水)
スズキ・ド・ブラジル(本社・サンパウロ州バルエリ市)が、ブラジル国内での自動車輸入販売事業から撤退することになった。昨年から続く通貨レアルの下落で、輸入コストが増加したことによるもの。同グループ八十三年の歴史の中で、海外子会社の閉鎖は初めてとなる。
同社のブラジル進出は一九九一年。現在までに日本、アルゼンチンから約二万五千台の自動車を輸入、販売してきた。
しかし昨年来のレアル下落を受けてコストが増大。一月―二月のジープの輸入は、昨年同時期の一千台から、今年は二百三十台に落ち込んだ。
二〇〇二年度、同社は年間三千五百台の販売を予測、八千三百万ドルの経常利益を見込んでいたが、実際には二千七百万レアルにとどまった。また、米国GM社など他メーカーとの競争激化も要因として挙げられる。こうした状況の早期改善が見込めないこともあり、このたび日本の本社が閉鎖を決定した。
今回の決定について同社のオザワ・トシオ社長は「撤退は非常につらい決断だった」とコメントを発表。レアル下落とそれに伴うコストの増大が閉鎖につながったことを説明した。
同社によれば、修理サービスや交換部品の供給などの顧客サポートは今後も行うとしている。オートバイについては別会社で販売を続ける。また、十九のブラジル国内代理店についても、ブラジルの法律に沿って、今後最低五年間は営業を継続する考えだ。