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ブラジル証券に世界が注目=評価得る経済政策=カントリー・リスク減少=ドル下げ国会対策好転へ

4月3日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】国際金融市場でブラジルのC・Bond(外債証券)に買いが殺到しカントリー・リスクもついに千ポイントを割ったことでパロッチ財務相は一日、ルーラ大統領の政治政策が国際的に評価された結果だと言明した。カントリー・リスクは一挙に五・二七%下げ、昨年五月の水準の九百八十九ポイントとなった。ドルも一・一九%下げ、三・三一三レアルとなった。

 世界情勢がキナ臭みを増すなか、国際金融市場でにわかにブラジルの外債証券に注目が集まっている。これはPT過激派の造反で議会工作が難航した中央銀行改革を盛った連邦令百九十二条改正案も、可決の見通しがついたことで世界のブラジルを見る目が好転したためとみられる。
 政府の財政政策と通貨政策は、世界情勢の緊迫化に備えて先手を打ったことで投資家の信用を得ていた。レアルは上げ、懸念されていたPT過激派から挙党体制の合意は取り付けた。外債証券は、今年に入って二三・〇二%値上げした。これは政府が十億ドル投じて対外債務を決済したのが、好感を受けたとみられる。
 金融関係者はブラジルのカントリー・リスクは、年金改革案が議会で通過すれば七百ポイントまで下がるとみている。そうなると国際金融市場で銀行や企業は、現在一年期限で調達している融資を、さらに長期で低利の有利な資金調達ができることになりそうだ。
 連邦令百九十二条の中銀独立改革案の表決は、政府与党の基盤と政治力の強さを象徴するもので内外金融投資家の注目となっている。これに成功すれば、続く年金改革も成功し好循環が始まると関係者はみている。
 パロッチ財務相は、カントリー・リスクの低減で幸先の良さで祝杯を上げた。
同相は経済指標を最優先に、次の山場となる年金改革案の議会提出で経済スタッフとともに努力を誓った。
 メイレレス中銀総裁は経済指標好転のきっかけは、農産物輸出の急増と貿易収支の好転、省庁の予算カットによる緊縮財政であったと述べた。ブラジルに対する印象は明るくなったが、イラク情勢の先行き不透明のなか、喜ぶのは早いと中銀総裁は警告した。
 カントリー・リスクの九百八十九ポイントは、中南米諸国のそれと比較すると、まだ高いほうだという。コロンビアが六百二ポイント、ペルーが四百六十一ポイント、パナマが三百九十六ポイントだ。途上国の平均は、六百五十八ポイント。ブラジルは、八〇年代に二回モラトリアムをして評判を落としたので、そのツケをいま払わされている。 
 いっぽう国内の金融市場では、長期の国債に関心を示す動きが出て来たと金融関係者はいう。取引はまだ控えめだが、ブラジル経済の先行きに曙光が差し始めたことで見通しは明るいとしている。