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〝謎の肺炎〟ブラジル上陸?=サンパウロ アジアから来た記者入院

4月3日(木)

 【フォーリャ・オンライン二日】十七カ国・地域で千八百四人の感染者、六十二人の死者を出している重症急性呼吸器症候群(SARS)が、ついに南米に上陸した疑いが強くなっている。サンパウロ州保健局は二日、SARSに感染した疑いの強いイギリス人女性記者(四二)が一日から、サンパウロの病院に入院していることを明らかにした。保健局は、病院や記者の名前を伏せている。
 同記者は三月二十二日と二十三日に、GPF1の取材でマレーシアに滞在。シンガポール経由でブラジルに三十一日入国した。六日行われるブラジルGPの取材をする予定だった。
 政府は、同記者のSARS感染が確認されれば、南米初めての感染ケースとなるとしている。
 同記者は一日午後から体調の悪さを訴え、入院した。医師団は保健局に記者の病状を報告。記者は入院先の病院の一室に隔離されている。
 ルイス・R・B・バラッタ同局長官は、「記者はせきや呼吸困難、発熱などの症状を訴えており、すでにSARS死者が出ている地域(シンガポール)から来た」と言明。「SARSかどうかを確認するにはウイルスの検査が必要」と慎重に扱っている。
 同長官によれば、記者の健康状態は比較的良く、死亡する可能性はない。また他人に感染する恐れも低いという。「我々が施している治療は風邪の治療と同じ。集中治療室に監禁されているわけではない」と説明した。
 政府は、機内で同記者の隣りに座っていた人物の身元確認を急いでいる。「感染している可能性がある唯一の人物である」と、バラッタ長官は明言している。