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麻薬患者が実母撲殺=小遣い拒否されて=尊属殺人 4カ月で4件目

4月5日(土)

 【アゴーラ紙、エスタード・デ・サンパウロ紙四日】サンパウロ市南部モエーマ区アラタンス通りの住宅ビルで二日、コカイン乱用で錯乱したと思われる男が母親を撲殺する事件が発生した。これで麻薬中毒者の尊属殺害は、過去四カ月間で四件目となった。
 犯人は失業者のマルコス・フォンセッカ容疑者(三八)。十八歳のころから麻薬中毒者だった。警察は、「同容疑者が犯行時にコカインを吸引していたかどうかまだ分からない」と慎重に捜査を進めている。
 母親のエリーザ・フリシアキさん(七二)は一人暮らしで、フォンセッカ容疑者は母親の小遣いで生活していた。住宅ビルの従業員によると、同容疑者は二日午後八時三十分ごろ、母親のアパートに到着。隣人たちは、「しばらくして口論し始め、助けを求めるエリーザさんの悲鳴が聞こえた」と証言している。
 警察によると、同容疑者はいつものように母親に金をせがんだが、「お前は金を全部コカインに使う」と拒否されたという。オラーヴォ・R・フランシスコ警部は、「フォンセッカは怒って母親を殴り出した」と説明している。
 警察の現場検証によれば、同容疑者はまず、植木鉢を使って被害者の頭部を殴った。続いてバスルームまで引きずり、頭部をつかんで便器やフロに幾度も叩きつけたという。
 犯行後、フォンセッカ容疑者は入浴し、恋人を迎えに行った。二人は母親のアパートに戻り、門番に救急車を呼ぶよう頼んだ。軍警や消防隊が来ると同容疑者は、「近くで母親が車に轢かれ、応急手当をするためアパートに連れてきた」と嘘をついた。母親は病院で死亡。医師の検死で頭部の複数の打撲傷で死亡したことが分かった。
 三日午後五時三十分ごろ、フォンセッカ容疑者の恋人、サンドラ・L・G・ロウレンソ容疑者が、犯人逃走の援助や殺害事実の隠ぺいの容疑で逮捕された。同容疑者の弁護士は、「彼女は本当に事故だと思っていた」と述べている。逃走中のフォンセッカ容疑者の弁護士によると、同容疑者は八日に警察へ出頭するもよう。
 サンパウロ市で昨年十一月二十四日、青年(二二)が祖母(七三)と家政婦(二〇)をナイフで殺害する事件があった。今年一月二日には、リオデジャネイロ市で十六歳の少年が七十六歳の祖母を刺殺。同月三十日にも、リオ州ヴォウタ・レドンダ市で十六歳の少年が祖母(五九)の首を切断する事件が起きた。いずれの件も犯人はコカインなどを多量に吸引し、錯乱状態にあったという。