4月8日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙、時事五日】ルーラ大統領は四日、パラー州ベレン市近郊、バルカレーナ市で「たった四年間では、我々が夢見てきた偉大な事業を実現できないことは確かだ。だが、今後幾つもの階を築けるような建物の土台が造られることは間違いない」と発言し、公に初めてルーラ政権が公約をすべて実現できない可能性を認めた。
同発言はヴァーレ・ド・リオ・ドーセ社の子会社、アルノルテ社の三本目のアルミナ生産ライン落成式で政治家、企業家、労働者で埋まった聴衆を前に行われた。ルーラ大統領は「ここ数年来、公共の場で約束してきたことを一つたりとも忘れたことはなかった。選挙運動中に話したことすべてを実施しつつ、任期を全うするつもりだ」と続けた。
「我々にはあまり多くの時間は残されていない」。同大統領は税制・年金改革を例に出し、もし、議会が今年中に改革を承認しないなら、〇四年は市長選挙、〇五年は〇六年の選挙準備で議員らは頭がいっぱいになり、ルーラ政権の施政期間中に改革は承認されないだろうと断言した。
以下は大統領の発言要旨。
▽経済=「最悪期は脱したと確信している。経済情勢は改善されつつあるが、不満を持つ人はいる。私がブラジルをベネズエラやアルゼンチンのようにすると考えるからだ。政府がどうなろうと、ブラジルは決して両国のようにはならない。今までの為政者が悪くとも、回復する能力が残っていることをブラジルは示したからだ」
▽改革=「改革はブラジル社会の利益とならなければならない。下院議員は改革案が議会に上程された時、それを意識する必要がある。『この提案はPT(労働者党)のものだから、ルーラのものだから、廃案に追い込もう』と上院、下院議員には言ってほしくない。選挙目的でなく、社会の要求に応じて政策を策定すれば、数年内にブラジルは間違いなく、飛躍的に向上するだろう」
▽可能な改革=「税制改革はおそらく完璧なものとはならない。しかし公平なものにはなるだろう。多く持つ者が多く払うという社会正義の原則を改革は有する。雇用創出、輸出増加に貢献する投資家に対しては免税することが改革の目的の一つだ」
▽PTと国家=「ブラジルがルーラ(PT)のものではなく、ルーラ(PT)がブラジルのものなのだ。ブラジルのような大きさを有する国はブラジリアから考えてはいけない。地域の発展を考慮せねばならない」
▽ブラジル=「時折神がブラジルに罰を下していると思う。素晴らしい土地を我々に与えた神がだれに罰を?政治家の一部に対して。だが、国民が彼らを正すと思う。国民が少しずつ政治家の選択を学びつつあると信じる」