4月8日(火)
【既報関連=フォーリャ・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・オンライン七日】六日午後八時二十五分、リオデジャネイロ国際空港に、アジアで死者も出している新型肺炎『重症急性呼吸器症候群』(SARS)に感染した疑いのあるイタリア人男性が入国した。
この男性はジェオルジオ・ピッチオニさん(二九)。フランス空港0442便の乗客で、機内で高熱や呼吸困難を訴えた。
男性は、同空港に近いリオデジャネイロ連邦総合大学(UFRJ)付属クレメンチーノ・フラーガ病院に入院している。同病院で行われたX線検査では、細菌による普通の肺炎の可能性が強いという。オスヴァウド・クルス基金(Fiocruz)の精密検査は四十八時間後に出る予定。男性は隔離されている。
同機のほかの乗客によれば、男性は仲間の五人とともに座っていた。気分が悪くなってから搭乗員にマスクをつけられた。旅客機は満員だった。男性とほか五人は先に降り、残りの乗客は、男性が座っていた座席の検査が済むまで待たされた。
国立保健財団(Funasa)によれば、男性はSARS感染が確認されている危険地域に行っていないという。だが航空会社に勤めているため、感染者とコンタクトを持った可能性も考えられる。
一方、先週からSARS疑惑でサンパウロ市アルベルト・アインシュタイン病院に入院しているイギリス人女性記者の病状の第一検査によれば、普通の細菌性肺炎ではないという結果が出ており、SARS感染の可能性が強まっている。四日の情報では、同記者の熱は下がり、病状も軽くなっている。週末も病状は悪化していない。
SARS疑惑が国内で発覚した事態を重視したサンパウロ総合大学(USP)の研究者たちは、新型肺炎のウイルスを確認するための分子検査の開発を進めている。生物医学研究所のウイルス専門家、パオーロ・ザノット教授によれば、この検査方法は今週末に完成する予定だという。(七面に関連記事)