どんな時にも、儲ける人はいる――。開戦以来、イラク通貨のディナールが劇的に高騰しているという。一見すると、戦争に負けている国の通貨がどうして強くなるのか? と疑問に思うが、世の中のこすからい人々には当然のことらしい。
同通貨には、サダム顔写真入りの通常版とクルド族自治区版の二種類がある。開戦前に比べ、通常版で二・五倍、クルド版では三・八倍にも跳ね上がっている。イラクが負けて、米英勢力が戦後復興をし、石油がフル生産されれば、同通貨がさらに上がることを見込んでの投機だという。
また、先週の日経金融新聞は中東市場の株価が上がっていると報じているそう。米英軍特需景気と、アメリカから引き上げて自国に投資するアラブの富豪が増えたからと報じる新聞もある。
「死臭に群がるハイエナ」と言えば、語弊があるだろうか。世知辛い世の中だ。 (深)
03/04/09