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庶民住宅改善に投融資=53億レアル拠出へ=月収1200以下に6000貸し付け=経済活性化の第2弾

4月11日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】ルーラ大統領は九日、都市や郊外で庶民住宅の建築や改修、購入のため今年中に五十三億レアルの大型投融資を行うと発表した。計画は三十五万九千世帯を対象として、月収千二百レアル以下の二十三万四千人のために、二十三万戸の上下水道付き住宅建築を目標とするとした。これは経済活性化のために打ち出した予算十四億レアルの道路建設など、公共工事再開宣言の第二弾とみられている。

 全国主要都市に散在する四千のスラム街住民に人間らしい住宅環境を提供するには、さらに六百万戸の住宅を建設する必要があると、大統領は述べた。ブラジルでは六歳以下の全児童の五四%は、トイレのない住宅で成長しているという。
 五十三億レアルの資金源は、FGTS(勤務年限積立金)から三十四億レアル、住宅建設基金から十一億レアル、労働者支援基金(FAT)から五億五千万レアル、連邦政府の拠出が二億一千九百万レアルだ。予算の割り当ては、融資希望者への融資が三十二億レアル、建売業者への融資が十四億レアル、市の都市整備に七億二千万レアルの予定。 
 新政権の公約不履行がささやかれる中、大統領は政府の管理不行き届きにきたんない抗議を国民に要請した。抗議がないと物事が順調に進行していると当局者は錯覚し、国民との間に意志の疎通を欠く。新政権に期待する支援者は、裏切られたと不快な思いをする。政府への抗議は国民の権利だと、大統領は述べた。
 緊縮財政で国内経済の硬直化が懸念されていたところ、経済活性化のため十四億レアルの道路建設など公共工事の再開を、大統領は言明した。運輸省は、省庁予算削減のため残部わずかで未完成のまま中断した新国道が、未利用のまま放置されていることを指摘した。新国道の中には八年前、十二年前に工事を開始して完成間近のものも多い。住宅建設は、それに続く大型投融資第二弾とみられる。
 住宅建設への五十三億レアル投融資により、五十万人の雇用創出が行われる予定だ。月収千二百レアル以下の二十三万四千戸の一戸当たり融資額は平均六千レアル見当とされる。さらに残部十二万五千戸の月収四千八百レアル(六最低賃金から二十最低賃金)までのクラスにも融資が行われる予定となっている。
 月収四千八百レアル以上の中流クラスには、後日ポウパンサ資金を利用した新融資システムを開設する予定だ。現時点では、庶民向け住宅の絶対数不足で中流クラス向け住宅建設融資は、具体化に至っていない。
 政府は、州や市と共同歩調で低所得向け住宅にのみ専心するという。融資申請から認可にかかる時間は、これまでのいかなる政権よりも短時間で決定することを約束した。