ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | カメラの前で軍警自殺=サンパウロ市 内部の汚職を告発=〝仲間〟の脅迫に耐えかねて

カメラの前で軍警自殺=サンパウロ市 内部の汚職を告発=〝仲間〟の脅迫に耐えかねて

4月12日(土)

 【アゴーラ紙十一日】十日午後二時、サンパウロ市西部モルンビー通りの州政庁バンデイランテス宮前で、大サンパウロ市圏コチーア市第三十三大隊付属第三中隊に勤務するレイナウド・A・ドミンゴス軍警兵士(三三)が自殺した。同警官は、右手に拳銃を、左手に軍警内部の汚職を告発する遺書を持ち、「自分は潔白だ! そのせいで軍警に追い詰められている!」と幾度も叫び、テレビカメラの前で引き金を引いた。
 「俺の人生は終わった」。ドミンゴスさんは、軍警たちが自殺を思いとどまらせようとしていた時にそうつぶやいた。同警官は一九九八年から、軍警内部の汚職にかかわっている職員らから、誠実に仕事をしていたために追及されていたと打ち明けた。
 レッデ・レコルジTV局は、警官の一部始終をカメラに収録。最後のシーンなど、テレビで流すべきではない強烈な映像をカットして、「汚職告発」を中心テーマとした番組構成で放映した。
 軍警総司令官のアウベルト・S・ロドリーゲス大佐は、「遺書には、軍警内の不祥事が書かれていた。軍警本部は遺書の告発内容を重視し、捜査を始める予定だ」と言明している。
 サウロ・C・アブレウ・Fサンパウロ州保安局長官は、遺書に告発内容はなかったとし、遺書の公開を拒否した。ジェラウド・アウキミン知事もコメントを避けている。
 軍警によると、ドミンゴスさんは「友人や家族との人間関係に悩んでいた」という。九九年に心理士にかかり、昨年四月には十日間にわたって精神科病院に入院。その後、軍警精神医学課から三十日間の休暇を命じられた。
 一方ドミンゴスさんの遺族は、「精神病などではなかった」と全面的に否定。同警官のめいは、「叔父は軍警内部の人間から脅されていた」と明言した。母親は、「あの日、息子はいつもと同じように昼食をとりに来た。土地を購入し、家の新築で喜んでいた。でも軍警内部の強い圧力に耐えられなかったのだろう」と嘆いている。