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少年院から121人脱走=フ・ロッシャ市 正門から一斉に疾駆=凶悪犯2人が指揮執る

4月15日(火)

 【アゴーラ紙十三日、十四日】十二日午後零時三十分、大サンパウロ市圏フランコ・ダ・ロッシャ市州立未成年者支援財団(Febem=日本の少年院と少年刑務所が合体した施設)第三十号棟から百二十一人の収容者が脱走した。脱走は面会時間に始まり、サンパウロ州で最も凶悪な少年犯罪者とされる二人のリーダーによって引き起こされたとみられている。
 リーダーとされるのはファビオ・パウリーノ受刑者(一九、通称バトレー)と、サンパウロ州の凶悪誘拐犯ヴァンデルソン・N・P・リーマ受刑者(通称アンジーニョ)の弟、通称バイアニーニョ受刑者(一八)の二人。
 第三十Febemには少年二百八十三人が収容されていた。十三日までに六十三人が再度収容されている。
 少年たちはナイフとおもちゃのピストルを使って監視官を取り押さえ、ほかの監房を開いて少年たちを逃がした。大勢の少年が一斉に走り出す〃狂った馬〃という方法で正門から脱走。Febem側は、脱走を阻止するためにゴムボール銃を使った。
 少年たちの多くは徒歩で逃走。一部は車やバイクを盗んだ。少年たちの親戚によれば、バトレーは盗難車で逃げたという。十三日には、少年八人が同市消防隊学校に侵入する事件があり、消防隊員に同校の車を運転させるという大胆不敵な手段を使って逃走を図った。
 軍警機動隊のFebem内部の立入検査で、ナイフやカッター、携帯電話の充電器などが見つかった。パウロ・S・O・コスタFebem総裁は、「脱走者全員を再び収容する」と言明。サンパウロ州検察局は、Febem職員が脱走の手助けをしなかったかどうかを捜査中。
 同Febemでは今年、幾度も暴動が発生しており、暴動を促した疑いで免職処分になった職員もいた。
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 「二十一歳まで収容」
 ブラジルでは民法改正後、成年は十八歳以上と定められたが、Febem内の十八歳以上二十一歳以下の収容者は全体の二二・一%だという。十八歳未満時の犯行に対する社会教育矯正を二十一歳まで行うことを認める子供青年憲章(ECA)に従っている。例えば、十七歳で罪を犯し、Febem最高収容期間である三年間収容を言い渡された場合、少年は成年(十八歳)になってもFebem内から出されない。刑法専門弁護士協会側は、「犯行の重要度に関係なく、最高収容期間を言い渡される可能性がある。法律の〃穴〃だと言える」と言明している。