麻薬関連法改正へ＝依存症、中毒治療に道開く

4月15日（火）

　【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十四日】保健省は十二日、覚醒剤常用者を犯罪人として拘束または強制入院する現行令に、保健所の管理下で治療を継続する改正案を起草中であることを明らかにした。
　アルコール依存症患者も含めて麻薬中毒患者が、犯罪視されることを恐れて正規の治療を受けられない現状を配慮して、法令による犯罪規定から外し、犯罪を犯す危険性がない麻薬常用者を別扱いとする政策といえそうだ。
　覚醒剤常用者に対する官憲の取り扱いが「強制入院」と「任意入院」、「拘置所精神病棟入所」などに類別される。改正案は大麻入り煙草を喫煙しても、現行犯として拘束されないが、大麻やコカインの販売禁止は継続される。覚醒剤常用者と麻薬密売人の相違は、目下議会で法令化準備中。
　保健省は、国内に二百五十の社会復帰センターを設置して治療相談を行う。麻薬中毒患者の治療関係者は、同案上程に先立ち関係者にも相談して欲しいと厳しい意見を持っている。麻薬中毒になる人は、性格が反社会的で考え方も病的で、社会にとって有益な人は麻薬に手を出さないという。　
　世界保健機構（ＷＨＯ）の調査によれば、都市部に居住する人の一〇％は、アルコールを含め精力活性剤を服用しているという。また病死の一・五％は、アルコールが関係している。
　ブラジルの十大都市に居住する未成年の七四・一％は、アルコールを飲用している。ブラジル家庭の一九・四％は、覚醒剤を家庭に持ち込んだことがあるという。最初の試飲は大麻で全体の六・九％、次に溶媒液で五・八％、最も少ないのがコカインで二・三％という統計がある。