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自身を再発見、磨く=交流協会生23期生35人

4月15日(火)

 [さいたま支局]日本の国土は狭い。その中に一億二千万人余の人たちがひしめいている。政治も経済も最近はきびしいことばかり。そんな生活環境から目先を変えて一年間、ブラジルで自身の再発見やそれに磨きをかけようと、三十五人(男子十八人、女子十七人)の若者が、十二日、成田からブラジルに向かった。
 これは(社)日本ブラジル交流協会(玉井義臣会長)が毎年実施している派遣留学研修生たちで、八一年に第一回研修生を派伯してから、今年で二十二回目。OBはすでに六百三十四人、ごくわずかの在学中を除き、いま各分野で活躍中。ブラジルにほれ込み四十人余りが再渡航、このうち二十人が移住している。
 二十三期生の出発の前日、東京都内の国立オリンピック記念青少年総合センターで、出発式が行われた。アントニオ・デ・M・メスプレ・ブラジル大使館書記官、福島教輝外務省中南米第一課課長、黒木慎一文部科学省留学生課長、沢地真JICA中南米部次長らを来賓に迎えた。
 藤村修協会理事長が激励。「各自がブラジルで研修をするという目的の明確化が重要、自分の身は自分で守るということを念頭に、ブラジル社会をよく見てきてほしい」。これを受けて、研修生たちが、研修に対する決意を表明した。
 「ブラジルでの体験をもとに、広い視野をもった教師になることが夢」「日本では見られない予想外のことに出会いたく、それらを書き留めておく」「一枚のポスターでブラジル行きが決まった。これを単なる偶然としないよう頑張ってくる」「ブラジルで帝王切開の勉強をして、将来は助産士になる」「カポエイラを覚え、日本に導入したい」「日本のサッカーを支える一員になれるよう学んでくる」。
 また二十一期生の先輩、澤正史さんが「ブラジルにはアプロベイタということがあります。利用するというような意味ですが、良い意味でブラジルをアプロベイタしていろいろなことを学んで来てください」とアドバイスした。
 研修生たちの研修先は、北はアマゾナス州から南はリオ・グランデ・ド・スル州まで十一州にわたる。社会人になっている人が多いのもここ数年の傾向。この事業が魅力があるということだろうか。